カラスのこと
先日、朝畑に行くとミニトマトときゅうりがカラスの集団にことごとく食べ尽くされていました。慌てて走りより、「オラッァー」と追い払いました。きゅうりのやぐらの上や電線など、2、30羽はいたでしょうか。周囲の畝にはトマトやきゅうりの食べかすが飛び散り、せっかく赤くなったミニトマトはほぼ全滅。カラスにはトマトが赤くなって美味しい時期がわかるのですね。緑トマトには手をつけませんでした。またできるさと思ってみても、カラスはこの場所を覚えてしまっただろうな、まるで朝食ブッフェみたいだろうななんて考えると、途方にくれたり、怒ったりどうにもやり場のない気持ちになりました。
さて、それから数日トマトときゅうりの周りに、凧糸のような紐やビニール紐を設置して様子を見ました。設置しているときに思ったことですが、怒りの感情が湧いてきたことについて、自分は何に対して怒っていたのか、カラスかカラスの行動に対してか、トマトが出荷できなかったことに対してか。実はトマトの視点に立ってみれば、実を人間に食べられるよりも、鳥に食べられて遠くに種を運んでもらい確実に落としてもらう方が良いのかもしれない。もしかしたら、悪いのはカラスじゃなくて僕か。なんて考えてみると、自分が怒りを感じたことに対してとても滑稽に思えてきました。いったい僕は何をしているのか。
それでも、やっぱりちゃんとトマトを収穫して、みなさまにお届けしたい、という思いが確かであることに気づき、「トマトさん、人間にも分け前をくだせえ」と思いながら防除したのでした。結果今は被害に遭うことなくトマトを収穫できています。ありがたや。それにしても、カラスからも何かメッセージをもらったように思います。「あなたは一体何をしているの?」とでもいうメッセージでしょうか。