就農までのあれこれ(4)現在の農業スタイル
農業をやる人の数だけ農のスタイルがある。
農業者それぞれに、個性があって、努力を重ねて、こだわったポイントがある。農業を続けるうちに少しずつ実践者に出会う数も増えていき、いろいろな圃場を見学させていただいた。本当に十人十色、様々な個性があり、それぞれに必ず光があると思っている。また、その栽培方法も販売スタイルも様々である。
いろいろ見た中で、僕の今の農業のスタイルは次のようになっている。
・小規模農業 家族経営 個人事業(兼業)
・主な担い手 僕・妻
・畑の総面積 約5反(5000平方メートル)
・少量多品目 年間約60品目
・セット野菜中心(個人宅、レストラン、八百屋などへ販売)
・化学肥料、農薬、動物性堆肥不使用
・トラクターなどの大型の機械を用いず、鎌や鍬、刈払い機などを中心。
手作業中心
・主要設備
5,5m✖️3,5m ビニールハウス、刈払い機2台、軽自動車(軽バン)
他細かくは、鍬、レーキ、三角ホー など
という感じである。
その他収入面の補足として、現在は、農業所得だけでは生活できずに兼業となっている。
専業農家としてやっていくことが当面の目標である。
農業以外では、僕がヘルパー(行動援護)として、障がいがある方の外出支援を行っている(週1,5日)。
よくある新規就農者のための、農業次世代人材投資資金(就農準備資金・経営開始資金、農林水産省)
は受けなかった。
なんだか、見れば見るほど不安になるような、自営業ではあるけれど、
僕なりには、農業で4人家族が生活苦を感じずに食べていけるような将来をイメージして開始した。
また、初期投資はいくらかかかるが、数年続けると純利益は徐々に大きくなっていくことが予想ができた。
ということで、吹けば飛ぶような経営でも将来の不安はないという楽観的な心持ちを維持できている。
これは僕にとってはとても幸せなことである。
僕がこのようなスタイルで就農して、継続できているのは久保寺農園の久保寺師匠のおかげである。
(相原農場ではまた農の精神的な部分や農業を通じた生活の部分で大きな影響を受けていますが、
今回は僕が主に就農スタイルで多大な影響を受けた、久保寺農園のことを書きます)
現在のごきげんやさいのスタイルは、ほとんど久保寺農園のスタイルを模倣して成り立ったと言っても過言ではない。
久保寺師匠から、経験や知識、経営の仕方などを学べたことで、
僕は、具体的に自分の農業だったら何が必要でどのくらいまで実現できるかをイメージできた。
僕らだったら、どのくらいの面積の畑を管理し、主要設備は何があったらよいか、
草の管理のタイミングについて、購入する種の量について、作付けの時期についてなどなど、
ありとあらゆることを実践を通して具体的に学べたのである。
そして、自分が具体的に考えて選択した今の農業のスタイルにとても納得している。
今も一つ一つ納得を重ねていると言ってもいいかもしれない。
メリットもデメリットもあるが総合的に考えて、今の農業でよかったと思える瞬間が、
何度もあった。
久保寺師匠にはいつも感謝と尊敬しかない。ありがとうございます。
僕はこのスタイルに納得していますが、
客観的にはどうなのだろうと僕なりに考えました。
今の農業のスタイルのメリット、デメリットをまとめてみたいと思います。
<メリット>
・自分で仕事の分量や収入を決めて働ける
作付けの量の調整や仕事のスケジュールは自分次第
・組織的な問題や摩擦を感じることがない
家族経営なので、過度な期待をされたり、期待をすることもなく、
無理な課題に取り組むことがない。
・お金のリスクが非常に少ない
一般的な農業に比べて初期投資がとても少なくて済む。
また、メンテナンス費用や機械故障時などのトラブルがほとんどない。
加えて、単一の作物を大量に作付けせず、少量ずつ多品種を栽培するので、失敗した時のリスクを分散できる。
・経済や物価の変動の影響を受けにくい
種子や発送費用、資材(ネットやビニールマルチなど)の他にはほとんど影響がない。
一般的な農業では、農薬、肥料、機械のメンテナンス費、ガソリン代などの費用が変動したり、その分影響を受けがち。
・農業を通じて環境問題を考えることができる
他の生物との共生を考えざるを得ない状況に置かれることが多く、
畑を通じて地球環境のことや、人間のアクションのことに目を向けることが多くなる。
<デメリット>
・良くも悪くも体が資本
体が動かなければ、収入はなくなる。(これは、多くの農業で同様だが、この方法ではより顕著である)
・一度に大きな収入を得られない
少量多品目栽培、セット野菜販売では、コンスタントに最低限の収入を確保する以外に方法がない。
・単一の作物の栽培に詳しくなることが難しい。
農薬や化学肥料を使わない分、化学的な勉強を怠ってしまうことが多い。
例えば、ある時期はキャベツとブロッコリーの栽培をするなら、それについて、毎日管理することになるが、
少量多品種だと、常に20種類程度の野菜の管理をすることになるため、意識や管理が分散しがち。
・栽培についてうまくいかなかった時に、原因を特定できにくい。
農薬、化学肥料を使わず、大きく耕さないことで、病害虫のリスクや土壌の物理的要素、化学的要素などを数値化できず、
見えづらいことが多い。そのため、原因を間違って考えてしまうことが多い。より深い知識や観察が必要であると思う。
今回は、今の僕の農業のスタイルについて少し触れてみました。
補足したい部分などたくさんありますが、また後日書いていきたいと思います。
小かぶが取れ始めました。嬉しさ半端じゃない。

2024/10/21 Kosuke Kumaoka